実行したら大変な事になり、絶対にやっちゃいけないのはわかっているが、無性にやらかしてしまいたくなる時・・・そんな時はないだろうか?
渋谷のスクランブル交差点などの人が多い場所で思いっきりマシンガンをぶっ放す。
歩いてる人を、なんの理由もなくいきなり殴る。
葬式でふざける。
生放送中に放送禁止用語を叫ぶ。
完成直前のジグソーパズルをぐしゃぐしゃにする。
何億もする名画を破く。
買ったばかりの新車をハンマーでボコボコにする。
スポーツバーで、ワールドカップで日本が得点を入れて超盛り上がった瞬間にチャンネルを変える。
野球の試合、9回の裏ツーアウトでランナーが二塁と三塁にいて、得点差は一点。そしてサヨナラヒットを打って、三塁に逆走してアウトになる。
これらは僕の「やったらダメだけど一度はやってみたい事」の一例だ。
いずれも実行したらタダで済むわけがない。色んな人に迷惑をかけ、罵倒され、軽蔑され、社会的地位を失うことになるだろう。(僕には元から社会的地位なんて存在しないが。)なのにやりたくなる・・・我慢できなくて心がムズムズしてイーッ!!ってなる。
わかりづらい例えだが、子猫や子犬が可愛すぎてどうしていいかわかんなくなり、口に入れてしまうような感じに似ている。
普通、これらの行動は理性というブレーキによって制御されていて、まっとうな人間なら酒に酔っぱらったり、よろしくない薬を使ってアッチの世界に行かない限り、ブレーキが壊れることはない。
しかし僕は以前はすぐにブレーキがぶっ壊れ、酔っぱらってもいないのに制御不能状態に陥り、暴走してしまうことが多々あった。
思い起こせば過去に友達を崖からつき落としたり、テストの解答を全部「う○こ」と書いて提出したり、買ったばかりのお洋服を着てドブ川に飛び込んだりしていた。
今でもライブや芝居の本番中に全然自分の出番じゃない時に舞台に出ていきたくなったり、車の運転中に壁に突っ込んでいきたくなったり、食器や花瓶売り場で全部叩き割ってやりたくなる時がある。よく考えたら非常に危険だ。でもやっちゃいけない事をするのは非常に楽しく、実行した後は必ず爆笑している。(プラスマイナス岩橋くんの気持ちが結構よくわかる。)
理性がなくなってしまったら僕は完全にただのキチガイになってしまうだろう。
酒が飲めないのも、理性を失って暴走しないように、脳が制御しているからなんじゃないかと思うようになってきた。昔、新宿で酔いつぶれて気づいたら小田原で血だらけになって寝ていた事があったが、なんでなのか今だにわからないのが怖い。
ここ数年、信じられないような犯罪が多発しているが、犯人は僕みたいな奴で、なんらかの理由で理性というブレーキが壊れてしまった奴なのかもしれない。
腹にナイフが刺さり、血だらけで倒れる人間の頭上で、楽しそうに高笑いする自分の姿を想像するたびに、僕は頭を振り回し、悪魔を追い払う。